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パラオのロックアイランドへ向かう船の上で、
ふと思ったことがあります。
やっぱ、海にはWi-Fiないよな、と。
そりゃそうだ
ホテルにはあります。
カフェにもあります。
でも、子どもと一緒にいて
「連絡がつかないと困る」場面って、
だいたいホテルの外なんですよね。
わが家は海外に行くとき、
毎回eSIM(イーシム)を使っています。
パラオ、ケアンズ、シンガポール。
この記事は、
「Wi-Fiだけでいいんじゃないの?」
と思っている人に向けて書いています。
結論から言うと、
わが家は毎回買っています。
安心が欲しいので。
その理由を、実際にあった場面で説明します。
eSIMって、そもそも何ですか
ひとことで言うと、
「差し替えないSIMカード」です。
SIMカードというのは、
スマホに入っている小さなカードのこと。
これがあるから電話やネットが使えます。
昔の海外旅行では、
現地でこの小さなカードを買って、
スマホのフタを開けて入れ替えていました。
eSIMは、これをネット上で買って、設定するだけで済ませるしくみです。
カードは届きません。カードを抜き差しもしません。
日本にいるうちに買って、設定まで終わらせておけます。
飛行機を降りて機内モードを解除して
eSIMに設定したらもうつながっている。
そんな感じです。
使えない端末もあります
先に、ここだけ確認してください。
- iPhoneは、XS・XR(2018年発売)より新しければ使えます
- Androidは機種によります。「(機種名) eSIM 対応」で検索するのが早い。
- SIMロックがかかった古い端末は、解除が必要な場合があります。
(2021年10月より後に発売された端末は、基本的にかかっていません)
ここが引っかかると、買っても使えません。
買う前に確認してください。
古いスマホの人は要注意。
「Wi-Fiでいいのでは?」に、正直に答えます
これ、私も最初はそう思っていました。
実際、ホテルにもカフェにもWi-Fiはあります。
パラオでもありました。
問題は、Wi-Fiがある場所と、連絡が必要な場所が、見事にズレていることです。
Wi-Fiがあった場所
- ホテルの部屋とロビー
- カフェ、一部のレストラン
- 空港(つながるまで少し手間がかかる)
Wi-Fiがなかった場所
- ツアーの最中(船の上、島の上、海の中)
- 移動中(車、バス、歩いているとき)
- 空港から宿までの道
- 街を歩いて店を探しているとき
見比べてみてください。
子どもとはぐれるかもしれない場面、
ツアー会社に「今どこですか」と聞きたい場面、
予定が変わって連絡したい場面。
全部、下のリストのほうです。
しかもホテルのWi-Fiも、
時間帯によっては不安定になります。
「つながってはいるけど、写真が送れない」みたいな状態です。

eSIMがあると、これができます
- WhatsAppやLINEで通話ができる
(海外では電話番号よりこちらが主流の国が多いです) - 現地ツアー会社との連絡
- 地図で行き方や店を「調べる」(ここは大事なので、次で詳しく書きます)
- メニューや看板をその場で翻訳する
- 配車アプリを呼ぶ
「地図が見られる」も大きいのですが、
子連れで一番効くのは連絡手段だと思っています。
ツアー中にWi-Fiがない状態で、
もし何かあったら。
そこを想像すると、数千円は安いです。
「地図だけなら、オフラインで何とかなるのでは?」
この疑問はもっともです。
半分は、そのとおりです。
Googleマップにはオフラインマップという機能があります。
出発前にその地域の地図をダウンロードしておくと、
ネットがなくても地図が開けます。
そしてもうひとつ、意外と知られていないこと。
現在地を示す青い点は、通信がなくても出ます。
GPSは人工衛星から位置を受け取るしくみなので、
ネット回線とは別物なんです。
機内モードのままでも、自分がどこにいるかは分かります。
では、なぜそれでもeSIMを買うのか。
できること・できないことを並べてみます。
オフラインでもできること
- 地図を開いて見る
- 現在地(青い点)を確認する
- 車のルート案内(曲がる場所まで音声で教えてくれます)
- 事前に保存しておいた場所を見る
オフラインではできないこと
- 徒歩のルート案内
- 電車やバスの乗換案内
- 場所を検索する(地図に載っていない店は出てきません)
- 営業時間・口コミ・写真を見る
- 渋滞情報、所要時間の目安
見比べてみてください。
家族で海外を歩いているときに口から出るのは、
だいたい下のほうです。
「この店まで歩いて何分?」
「この駅から、どのバスに乗るの?」
「今日ここ、開いてる?」
全部、オフラインでは出ません。
しかもオフラインマップは、
国や地域によってはダウンロードそのものができません。
出発前に試してみて、できなかったら打つ手がありません。

私の答え
地図は、オフラインでも「見る」ことはできます。
でも「調べる」ことはできません。
旅行中にやりたいのは、たいてい後者のほうです。
ただ、これは「どちらか」の話ではありません。
オフラインマップは、eSIMを買う人も入れておいてください。
eSIMがあっても、
山の中や地下、島の裏側では圏外になります。
両方あるのが一番強いです。
わが家のやり方:親だけ買って、子どもはテザリング
人数分は買っていません。
親のスマホにeSIMを入れて、子どもはそこからテザリングでつなぐ。
これだけです。
テザリングというのは、
自分のスマホを小さなWi-Fiの親機にして、
別の端末をつなぐ機能のことです。
スマホの設定画面から数タップでオンにできます。
正直なところ、
観光している間、子どもはスマホをほとんど使いません。
見るものが目の前にたくさんあるからだと思います。
使うのは、待ち時間です。
バスを待っている間。
店で順番を待っている間。
移動の車の中。
そういうときに動画を見たり、ゲームをしたり。
日本の友だちとLINEをしたりもしています。
逆に言うと、使うのはだいたい「止まっている時間」でした。
歩いているときは、まず出しません。
なので、子どもの分まで買う必要はありませんでした。
ここは家庭によって違うと思いますが、
「人数分いるのかな」と迷っている人には、
まず親の分だけで足りると言いたいです。
で、何GB買えばいいのか
海外旅行のeSIMで、ここが一番迷うところだと思います。
先に結論を書きます。
動画をたくさん見ないなら、1日1GBで足ります。
わが家は、それで困ったことがありません。
わが家は毎回「1日1GB」で買っています
パラオも、ケアンズも、シンガポールも、
日数×1GBで計算して買っています。
3泊4日なら4GB、という数え方です。
この買い方で、足りなくて困ったことは一度もありません。
正直に書いておくと、
帰国後に「何GB残ったか」をきちんと測ったことはありません。
足りなかった記憶がない、というのが実際のところです。
それでもこの数え方を続けているのは、ギリギリを攻める意味がないからです。
1日1GBぶんの値段は、行き先にもよりますが
数百円から、せいぜい千円台。
ここを削って浮くお金より、
旅行中にネットが切れて困るほうが、はるかに高くつきます。
だから、少し多めで買っています。
意外かもしれませんが、地図はほとんど減りません
「地図をずっと見るから、多めに買わないと」
と思っている人が多いのですが、逆です。
1GBで、どれくらい使えるかの目安がこちらです。
| 使うもの | 1GBでできる量 |
|---|---|
| Googleマップ | 約300時間 |
| LINEの音声通話 | 約40時間 |
| LINEのビデオ通話 | 約3時間 |
| YouTube(普通の画質) | 約2時間 |
※携帯電話会社などが公開している通信量の目安をもとにした概算です(au「1GBのデータ通信量で利用できる目安」ほか)。画質や使い方で変わります。(2026年8月時点)
地図は1GBで約300時間。
旅行中ずっと開いていても、まず減りません。
つまり、容量を食っているのは地図ではなく動画です。

旅行中に容量を食うのは、この3つ
- 動画を見る(YouTube、TikTok、インスタのリール)
- 写真や動画を送る(動画を1本送るだけで数十MB使います)
- 移動中に、子どもに動画を見せる
特に最後です。
わが家も、バス待ちや車の中でこれをやります。
静かにしていてほしくて動画を渡すと、一気に減ります。
逆に言えば、
動画はWi-Fiのある場所で見ると決めておくだけで、
1日1GBはかなり余ります。
テザリングで分けるなら、その分も減ります
わが家のように親のスマホから子どもにテザリングでつなぐ場合、
子どもが使った分も親のeSIMから減ります。
とはいえ、子どもは現地でほとんど使いません。
実際の使い方だと、そこまで気にしなくて大丈夫でした。
ちなみにパラオは、
海のアクティビティが中心だったこともあって、
テザリングを使う場面はほとんどありませんでした。
行き先によって、必要になる場面はかなり変わります。
それより先に確認してほしいのが、
そのeSIMがテザリングに対応しているかです。
じつは、テザリングを認めていないeSIMがあります。
商品ページに「インターネット共有 不可」と書かれていたら、
親のスマホから子どもにつなぐ使い方はできません。
買ってからでは変えられないので、ここは必ず先に見てください。
日数別の目安
| 日数 | 目安(動画をあまり見ない場合) |
|---|---|
| 3泊4日 | 3〜5GB |
| 1週間 | 7〜10GB |
| 10日ほど | 10〜15GB |
「1日1GB+予備」で考えると、迷いません。
無制限プランは割高になりがちです。
1日1GBで足りる人が無制限を買うのは、もったいないと思います。
サービスによっては、足りなくなってから買い足せます。
その場合は、最初から多めに買うより、少なめに買って様子を見るほうが安く済みます。
(ただし買い足せない商品もあります。実際、パラオで買ったものは「チャージ不可」でした。ここも買う前に確認してください)
パラオで直面したこと。選べるものが、ほぼ1つしかなかった
ここが、この記事で一番伝えたいことかもしれません。
eSIMの比較サイトを見ると、
どの国でも「◯社を徹底比較!」と出てきます。
パラオもそうでした。
でも実際に値段まで見ていくと、
現実的に払える金額のものは、ほぼ1社しかありませんでした。
(2025年5月に探した時点です)
結局、KKdayで契約しました。
現地ツアーを予約したのと同じサイトです。
関連記事:パラオ家族旅行の体験記|4人で飛行機代9万円だった全記録
いま見ても、同じものが買えます。
パラオの通信大手PMCI(パラオ・モバイル・コミュニケーションズ)のeSIMで、
容量は1GBから30GBまで選べます。
値段は1GBで6.25米ドル(およそ900円台)からでした。(2026年8月時点)
ただ、買う前に知っておいてほしい条件がありました。
- インターネット共有(テザリング)は「不可」と書かれています
- 音声通話とSMSは含まれません(データ通信だけ)
- あとから容量を追加できません(チャージ不可)
とくに1つめです。
「親のスマホから子どもにつなぐ」つもりの人は、
商品ページの「インターネット共有」の欄を必ず見てください。
同じ「eSIM」でも、商品ごとにできることが違います。
ここは、安さより先に見るところだと思います。
なぜパラオは高いのか
人口2万人ほどの国で、
通信会社の数も限られているからだと思います。
実際、いま調べ直しても
パラオ向けのeSIMは、提供元によって値段の差がとても大きいです。
同じ「パラオ用」でも、数倍ちがうことがあります。
だから、パラオに行く人にお願いしたいのは
「有名なサービスだから」で選ばないこと。
必ず、日数とデータ量と値段を並べて見てください。
(この記事の情報は2026年8月時点のものです。値段もプランもよく変わるので、購入前に必ず公式サイトで確認してください)
国によって、難易度が全然違います
ケアンズとシンガポールでも使いましたが、
この2つはとても簡単でした。
選択肢がたくさんあって、値段も安い。
迷うとしたら「どれにするか」であって、
「あるかどうか」ではありませんでした。
つまりeSIMの難易度は、行き先で決まります。
- アジア・オセアニア・ヨーロッパの主要国…選択肢が多く、安い。ほぼ悩まなくていい
- 小さな島国や、旅行者の少ない国…選択肢が少なく、高い。早めに調べたほうがいい
パラオは完全に後者でした。
出発の前日に探し始めていたら、たぶん焦っていたと思います。
ポケットWi-Fiとは、どう違うのか
「海外旅行なら、eSIMよりポケットWi-Fiのほうがいいのでは?」
これもよく聞かれます。
どちらが上ということはなくて、向き不向きがはっきり分かれます。
まず、並べてみます。
| eSIM | ポケットWi-Fi | |
|---|---|---|
| 料金の目安 | 旅行1回ぶんで数百円〜数千円 | 1日あたり700〜2,000円ほど |
| 受取・返却 | なし(ネットで完結) | 空港カウンターか宅配で受取・返却 |
| 荷物 | 増えない | 本体と充電器が増える |
| 充電 | スマホの分だけ | もう1台ぶん必要 |
| つなげる台数 | 基本1台(共有不可の商品もある) | 複数台まとめて |
| 別行動したとき | それぞれの端末が独立して使える | 本体を持っている人しか使えない |
| 壊した・なくした | 弁償なし | 弁償が発生することがある |
| 使える端末 | eSIM対応の機種だけ | 機種を選ばない |
※料金は各社の目安です。行き先と容量で変わります。(2026年8月時点)
子連れで見ると、決定的な違いがひとつあります
表の下から3つめ、「別行動したとき」のところです。
ポケットWi-Fiは本体が1台しかありません。
ということは、
お父さんが本体を持ってトイレに行ったら、
その瞬間、残りの家族は圏外になります。
この記事でずっと書いてきたのは、
「はぐれたときに連絡が取れるか」でした。
その目的で見ると、
1台を全員で共有するしくみは、いちばん弱いところで切れます。
充電が切れたときも同じです。
1台の電池が終わると、家族全員が同時にネットを失います。
ポケットWi-Fiが選ばれるのは、こういう場合
ポケットWi-Fiが選ばれるのは、だいたい次のような場合です。
- スマホがeSIMに対応していない(これは、そもそもeSIMが使えません)
- パソコンやタブレットも一緒につなぎたい
- 大人数のグループで、1台の費用を割る
- 設定が苦手で、電源を入れるだけにしたい
- 買ったeSIMがテザリング不可だった
とくに1つめは前提の話です。
端末が対応していなければ、そもそもeSIMは選べません。
わが家がeSIMにしている理由
理由は3つです。
- 受取と返却がない(子どもを連れて空港カウンターに並ぶ時間が惜しい)
- 荷物と充電器が増えない
- 壊す・なくすを心配しなくていい(子連れの旅行で、これは地味に大きいです)
パラオでスマホが壊れた話を書きましたが、
あれがもし借り物のWi-Fi端末だったらと思うと、ぞっとします。
自分のスマホなら保険の話で済みますが、
レンタル品は弁償です。
海外旅行でeSIMを買う前に、これだけは確認してください
日本にいるうちに買って、設定まで終わらせる
eSIMの購入と設定には、ネット接続が必要です。
現地に着いてから買おうとすると、
ネットにつなぐためのeSIMを買うのに、ネットが必要という状態になります。
空港のWi-Fiで何とかなることもありますが、
子連れでそれをやるのはおすすめしません。
多くのeSIMは「データ専用」です
旅行用のeSIMは、音声通話とSMSが含まれないものが多いです。
つまり、電話番号にかける普通の電話はできません。
連絡は、WhatsAppやLINEなどネット回線を使うアプリで取ることになります。
日本の回線のデータ通信は、オフにしておく
eSIMを入れると、
スマホの中に回線が2つある状態になります。
設定を間違えたまま海外で使うと、
日本の回線のほうでつながってしまい、
あとから高額な請求が来ることがあります。
設定画面で
「日本の回線のデータ通信をオフ」
「eSIMをデータ通信に使う」
にしておいてください。
ここは、購入したサービスの説明ページに手順が書いてあります。
出発前に、家で一度見ておくのが安心です。
スマホが壊れたら、eSIMごと使えなくなります
これは、わが家が実際にやりました。
パラオの最終日、
カヤックから上がったらスマホが動かなくなっていました。
修理代は89,650円でした。
物理的なSIMカードなら、
抜いて別の端末に差せば使えます。
eSIMはそれができません。
家族の中で2台に分けて入れておくと、
片方が壊れても連絡手段が残ります。
このときの話は、こちらに詳しく書きました。
関連記事:クレジットカードの海外旅行保険で足りる?パラオでスマホが壊れて9万円請求された話
まとめ:海外旅行にeSIMがいる人、いらない人
買ったほうがいいと思う人
- 子ども連れ(はぐれたときの連絡手段は、Wi-Fiの届かない場所で必要になります)
- 現地ツアーに参加する(集合場所の変更や遅れの連絡が来ます)
- 個人手配で、移動が多い
- 地図や翻訳をよく使う
なくても何とかなりそうな人
- ホテルとその周辺だけで過ごす
- 送迎つきのパッケージツアーで、自分で移動しない
- 同行者の誰かがすでに持っている
わが家は、上のほうに全部当てはまります。
だから毎回買っています。
金額としては、数日ぶんで数百円から数千円くらい。
行き先によりますが、
旅行全体の予算から見ると小さいほうです。
「Wi-Fiでいいや」と思っている人に、
一度だけ考えてみてほしいのは、
Wi-Fiが届かない場所で、子どもと連絡が取れなくなったらどうするかです。
そこだけです。
そこが平気なら、なくても大丈夫だと思います。
※この記事の情報は2026年8月時点のものです。eSIMのプラン内容・価格・対応端末は変更されることがあります。購入前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。

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