家族で行ったパラオ旅行の最終日。
カヤックから上がって、
帰りの航空券のチェックインをしようととスマホを出したら、
画面が真っ黒。変な横線がたくさん。
水に落とした覚えも、
ぶつけた覚えもありません。
湿気か、熱か。
原因は、いまだに不明。
いや、スマホで撮影した旅行の思い出がなくなるのだけは避けたい!!
どうしてもそこだけは取り戻したい!
結果、修理代の見積もりは、89,650円でした。
このとき私は、
「アメックスのゴールドカードを持ってるから
旅行保険がついているから大丈夫」と
思っていました。
でも、使えませんでした。
結局この9万円は、
カードとは別に入っていた海外旅行保険のほうで
全額まかなえました。
この記事は、そのときに実際に必要になってから
必死に調べ直したことの記録です。
知らないまま旅行に行っている人が、
けっこう多いんじゃないかと思って書いています。
(私も知っていた気になっていました汗)
「ゴールドカードだから大丈夫」ではなかった
わが家が持っていたのは、
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードです。
年会費39,600円。
補償が手厚いと言われるカードです。
実際、内容だけ見ればかなりのものです。
| 補償の種類 | 本人 | 家族 |
|---|---|---|
| 傷害死亡・後遺障害 | 最高1億円 | 最高1,000万円 |
| 傷害治療費用 | 最高300万円 | 最高200万円 |
| 疾病治療費用 | 最高300万円 | 最高200万円 |
※2026年8月時点。アメリカン・エキスプレス公式サイトより。
そして大事なことに、
このカードには「家族特約」がついています。
つまり、子どももちゃんと補償の対象です。
それなのに、なぜ使えなかったのか。
そして、なぜ私は別に保険に入ったのか。
順番に書きます。
まず確認してほしいこと。あなたのカード、子どもは補償されますか?
カードの海外旅行保険は、
基本的に「カードを持っている本人だけ」が対象です。
子どもを補償するには、
「家族特約」という別のしくみが必要になります。
家族特約は、どのカードにもついているわけではない
ここが最初の分かれ道です。
年会費無料のカードには、家族特約がついていないことがほとんどです。
家族特約は、
ゴールドやプラチナなど、
年会費のかかるカードに用意されていることが多いしくみです。
つまり、
「私のカードに保険がついてるから、家族4人ぶん大丈夫」
という思い込みは、
カードによっては、まちがいです。
確認すること
- 家族特約はあるか(なければ、子どもは補償されない)
- 誰が対象か(アメックス・ゴールド・プリファードの場合は、配偶者と、生計を共にする6親等以内の血族・3親等以内の姻族)
- 子どもの補償額(本人より低く設定されているのがふつう)
カード会社のサイトの「旅行傷害保険」のページを見るか、
カード裏面の番号に電話するのが確実です。
私も実際に電話しました。
5分ほどで教えてもらえます。
「持っているだけ」では効かない。自動付帯と利用付帯
わが家がつまずいたのは、ここです。
カードの海外旅行保険には、2つのタイプがあります。
- 自動付帯:カードを持っているだけで保険が効く
- 利用付帯:条件を満たす支払いをそのカードでしないと、保険が効かない
昔は自動付帯のカードがたくさんありました。
でも今は、自動付帯はどんどん減っています。

実際に変わったカードの例
エポスカードは、2023年10月から
自動付帯をやめて利用付帯になりました。
(かわりに補償額は最高500万円→最高3,000万円に増えています)
ライフカードも、
2026年3月31日以降に出発する旅行から利用付帯になりました。
「自動付帯の最後の砦」と言われていたカードです。
昔つくったまま条件を見ていない人は、
今の条件をもう一度見てください。
作ったときとは変わっている可能性があります。
マイルやポイントで旅行する人は、特に危険です
「利用付帯」は、
対象になる支払いをそのカードですることが条件です。
アメックス・ゴールド・プリファードの場合、対象になるのは
日本を出発する前に、日本国内でカード決済した、次のようなものです。
- 日本を出入国するための国際線の航空券やパッケージツアーの代金
- 空港までの特急列車やリムジンバスの料金(京成電鉄、南海電鉄、JR各社、大阪空港交通、関西空港交通など)
ここで気づいてほしいことがあります。
航空券をマイルで発券したら、「カードで払った」ことになりません。
ホテルの宿泊費のみの支払い、これも対象になりません。
(飛行機代込みのツアー料金なら可)
マイルやポイントを貯めて旅行する人ほど、
ここにはまります。
お得に旅行しようとした結果、保険が起動しない。
皮肉ですが、実際に起きます。
私が勘違いしていたこと:現地のツアー代では効きませんでした
ここは、私が実際にまちがえたところです。
パラオでは、現地のツアー代金をアメックスで払っていました。
だから「旅行代金をカードで払っている=条件は満たしている」と思っていました。
でも、電話で聞いたら「それは該当しません」という返事でした。
あとで条件の文章をよく読んで、理由が分かりました。
条件は「旅行代金なら何でもいい」ではなかったのです。
アメックスの公式サイトによると、対象になるのはこの2つです。
- 旅行前に日本国内で払った、日本を出入国するための「時刻表に基づいて運航される公共交通乗用具のチケット」またはパッケージ・ツアーの料金
- 出国後に海外で払った、「時刻表に基づいて運行される公共交通乗用具のチケット」の料金
ポイントは「時刻表に基づいて運行される乗り物のチケット」という部分です。
私が払ったのは、現地のアクティビティのツアー代でした。
時刻表で走っている乗り物の乗車券ではありません。
だから対象にならなかったのです。
ちなみに、対象になる交通機関は会社名まで決まっています。
アメックスの公式サイトには、航空会社(ANA、JAL、デルタ航空など)、鉄道(JR各社、京成電鉄、南海電鉄)、バス(東京空港交通、大阪空港交通、関西空港交通など)が例として挙げられています。
「カードで旅行にお金を使ったかどうか」ではなく、
「決められた交通機関のチケットを、そのカードで買ったかどうか」で決まります。
ここが、私がいちばん誤解していたところでした。

マイル旅行でも、保険を効かせる方法はあります
ポイントは、何かひとつ、対象になる支払いをそのカードで済ませておくことです。
たとえば、
- マイル発券のときにかかる燃油サーチャージや税金をそのカードで払う
- 空港までのスカイライナーやリムジンバスをそのカードで払う
ただし、ここはカードによって条件がまるで違います。
「出発前に、日本国内で払っていること」が条件のカードが多く、
現地で払ったタクシー代などでは認められないことがあります。
アメックスなら、公共交通機関の支払いをカードでする必要があり、
スイカでの支払いや空港近くの車の駐車場代金は含まれない。
空港まで車で行くのが一番早い我が家、
ここでもう不適用がぐっと近づきます。
これが一番大事です。
適用条件を自分の持っているクレジットカード会社に直接聞いてください。
ネットの情報だけで判断すると、私のように後で困ります。
意外と知られていない、携行品損害の落とし穴
ここからが、今回いちばん伝えたい話です。
スマホやカメラが壊れたときに使うのが
「携行品損害」という補償です。
じつはこれ、
カードの保険と、旅行保険とで、もらえる金額がまったく違います。
「時価」と「新価」のちがい
先に、ひとつだけ注意です。
たびほでも、スマホは自動では補償対象になりません。
申し込むときに「スマートフォン補償」をオプションで足す必要があります。
わが家はこれを付けていました。
付けていなかったら、9万円は自腹だったということです。
カードの携行品損害はふつう「時価」で計算されます。
時価というのは、
買ってからの年数ぶん、価値を差し引いた金額のことです。
3年使ったスマホなら、
「3年ぶん値下がりした金額」しか出ません。
一方、
わが家が入っていた「たびほ」は「新価(再購入費用)」で計算されます。
こちらは、
同じものを買い直すのにかかる金額がもとになります。
この差が、そのまま手取りの差になります。

並べるとこうなります
| クレカ付帯の保険 | たびほ(旅行保険) | |
|---|---|---|
| 補償の基準 | 時価(使った年数ぶん減る) | 再購入費用(新価) |
| 自己負担(免責) | あり(金額はカードによる) | なし/わが家は自己負担ゼロ |
| 効かせる条件 | 対象の支払いをそのカードでする必要がある | 旅行中のトラブルなら基本OK |
| 受け取れる額 | 低め(機種・年数で減額される) | 修理代または買い直す金額 |
※たびほの携行品損害の限度額は30万円です。そして大事な点として、スマホは自動では補償されません。わが家は「スマートフォン補償」をオプションで追加していたので対象になりました(2026年8月時点)。
わが家の修理代89,650円は、全額そのまま出ました。
もし時価で計算されていたら、
ここまでは出ていなかったはずです。
【重要】アメックスの携行品損害は、2026年7月に終了しました
そして、この記事を書くにあたって調べ直して、
正直おどろいた事実があります。
2026年7月1日以降に旅行がはじまるぶんから、
アメックスの多くのカードで「携行品損害」の補償が終了しました。
アメックスの公式サイトには、こう書かれています。
2026年6月30日(火)までに旅行期間が開始されるご旅行をもって「携行品損害保険」の補償サービスを終了いたします
アメリカン・エキスプレス「『海外旅行傷害保険』一部対象カード、補償内容改定のお知らせ」より
ゴールド・プリファードも対象です。
これまで最高50万円の補償がありましたが、「付帯なし」に変わりました。
携行品損害が残っているのは、
プラチナ、ビジネス・プラチナ、法人向けのコーポレートカードなど、一部だけです。
(傷害死亡や治療費用など、ほかの補償は今までどおり続きます)
つまり今は、
アメックスのゴールドを持っていても、スマホが壊れたときにカードの保険は使えません。
私が使えなかったのは条件を満たしていなかったからですが、
今はそもそも補償自体がないということになります。
これは、かなり大きな変更だと思います。
治療費は、いくらあれば足りるのか
スマホの故障は、正直まだ軽いほうでした。
こわいのは、ケガや病気です。
カードについている治療費用の補償は、
100万円から300万円くらいが一般的です。
(アメックス・ゴールド・プリファードは本人300万円、家族200万円)
この金額で足りるのか。
実際の例を見てみます。
- アメリカで心筋梗塞(入院・手術・医療搬送)… 約2,300万円
- ヨーロッパでスキー中に骨折(治療・救援費用)… 約700万円
- アジアでバイク事故(入院・手術)… 約140万円
※損害保険会社が公表している事例です(2026年8月時点)。

アメリカやヨーロッパでは、
カードの補償額ではまったく足りません。
しかも子どもの補償額は、本人よりさらに低いことがほとんどです。
子どもは大人より急な発熱やケガが多いのに、です。
わが家がやったこと
1. アメックスに電話した
まず、カード会社に直接聞きました。
結果は、対象外。
「持っているから安心」ではありませんでした。
2. 「たびほ」で請求した
クレジットカードとは別に、
海外旅行保険の「たびほ」にも入っていました。
パラオでは海でのレジャーが多いこともあり、
子どものケガや病気がちゃんと補償されるようにしたかったからです。
ついでに、スマホが一番壊れやすく一番困るものだと思ってたので、
数百円で安全が買えるなら、と補償を追加。
結果的に、これが効きました。
こちらの補償は、再購入費用の支払い対応。(←今回の1番の学び)
スマホの修理代89,650円は、携行品損害として全額おりました。
もし入っていなかったら、9万円は自腹でした。
まとめ:カードだけで足りる家庭、足りない家庭
全員が別で保険に入るべき、とは思っていません。
条件によっては、カードだけで足りる家庭もあります。
カードだけでも、ある程度なんとかなりそうな家庭
- 大人だけの旅行(子どもの補償を考えなくていい)
- 旅行代金をそのカードで払っている(利用付帯の条件を満たしている)
- 医療費がそこまで高くない国に行く
- 短い日程で、ケガのリスクが高いことをしない
- 高価な持ち物を持っていかない
別で保険に入ったほうがいい家庭
- 子ども連れ(家族特約がない、または補償額が低い)
- マイルやポイントで旅行する(利用付帯の条件を満たしにくい)
- アメリカ・ヨーロッパに行く(医療費が桁違い)
- マリンスポーツやスキーなど、ケガのリスクがあることをする
- スマホやカメラを持っていく(携行品損害。アメックスは2026年7月に終了)
わが家は、下のほうにいくつも当てはまっていました。
だから、カードとは別に入りました。
今回は、それで助かりました。
最後に、3つだけ確認してください
「うちのカード、どうだったかな」と思ったら、
今日のうちに調べてみてください。
- 家族特約はあるか(子どもは補償されるか、いくらまでか)
- 自動付帯か、利用付帯か(利用付帯なら、何を払えば効くのか)
- 携行品損害は残っているか(アメックスのように終了している場合があります)
カード会社に電話すれば、5分で分かります。
旅行の前日にバタバタするより、
今のうちに知っておくほうが、ずっとラクです。
参考にした情報
※この記事の情報は2026年8月時点のものです。カードの付帯条件や保険の内容は変更されることがあります。実際に申し込む前に、必ず各社の公式サイトや窓口でご確認ください。
※必要な補償は、家族構成・行き先・日程によって変わります。この記事はわが家の体験と調べたことの共有であり、特定の保険商品をおすすめするものではありません。
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